皆さんの家の台所にはどんな油が置いてありますか?
ほとんどの家にあるのは、菜種、コーン、綿実、サフラワーなどが原料となっているサラダ油でしょう。
「サラダ油」と言えば一見カラダに良さそうだけども、「オメガ6系脂肪酸」が多く含まれる植物油は、摂りすぎるとアレルギーの元になり動脈硬化の原因にもなると言われます。
また、オメガ6のリノール酸は、高温になれば酸化して「ヒドロキシノネナール」という毒性物質が大量に発生して細胞にダメージを与えます。
それを知ってから改めて周囲を見回すと、市販品のほとんどの原材料に「植物油」が含まれていることがわかりました。
ちなみに市販の食品に含まれる「植物油脂」はほとんどが安価なリノール酸(オメガ6系)です。
マヨネーズ、スナック類、冷凍食品・・・
油で揚げてあるトンカツなどのお惣菜もほとんどに「植物油」が使われているのが現状です。
そしてあまり知られていないけれども、実はコンビニのおにぎりにも植物油が使われていたりします。
機械にくっつきにくくするためとご飯にツヤを出すために。
お弁当ならもっとたくさんの植物油が使われているでしょう・・・。
現代の日本人の食生活は「オメガ6系脂肪酸」が過剰
このように、現代の日本人の食生活は、実は「オメガ6系脂肪酸」まみれと言えるのです。

え?でもオメガ6って必須脂肪酸で、その中でもいちばん体に多く必要なものだって聞いたけど?
確かにそうなんです。
オメガ6脂肪酸も必須脂肪酸のひとつだし、ヒトの体内では作れないので食品から摂る必要があります。
でも、こんなにたくさん摂る必要はなくて、今の日本人の摂取量からすればむしろ弊害のほうが大きいのです。

その前にそもそも必須脂肪酸が何か知らない

うん、まずはそこから説明していくよ
必須脂肪酸とは
脂肪酸は他のいろいろな物質と結びついて脂質になります。
脂肪というと悪いイメージがあるけれど、脂質は人が生きていくためのエネルギーの元になるものだし、その他にも細胞膜やホルモンの元になったりビタミンの吸収を高めたりといったとても大切な働きがあるのです。
また、脳の神経細胞の発達にもとても重要な役割があります。
「必須脂肪酸」は、脂肪酸の中でも体内で合成できないため食品から取り入れなくてはならないもので、オメガ3系、オメガ6系脂肪酸に分類されます。
オメガ6系脂肪酸
リノール酸(代表的なもの)、γ-リノレン酸、アラキドン酸
オメガ6系脂肪酸には、血中コレステロールを下げる効果があると言われます。
また、炎症を促したり、血液を固める働きもあります。
炎症反応は細菌やウイルスと戦うためにとても重要な体の働きですが、過剰になるとアレルギーやむくみの元になったり脳梗塞の原因になったりします。
そして、この炎症反応のために神経過敏になり、イライラしやすく怒りっぽくなることもあります。
このため、モラハラの元凶とも言われることがあります。
それだけではなく、オメガ6系脂肪酸の過剰摂取は、鬱や認知症を引き起こす原因にもなると言われているのです。
オメガ3系脂肪酸
α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)
オメガ3脂肪酸には炎症を鎮める働きがあります。
それによってアレルギー症状の改善が期待できます。
また、血流を良くして心臓の病気や脳卒中を防いだり、中性脂肪値を下げる効果もあります。
のみならず、オメガ3は脳の活性化も期待できるので、認知症のリスクを下げる効果もあるのです。
オメガ3とオメガ6の摂取バランス
理想的な両者のバランスは、オメガ3が1に対してオメガ6が4~5と言われています。
けれども、実際にはオメガ3が1に対して、オメガ6が30以上にもなっているのが現状なのです。
「オメガ6系脂肪酸」については、特に意識しなくとも様々な食品から自然に摂取できますが(摂取しすぎていますが)、「オメガ3系脂肪酸」については意識して摂らないと必要な分だけ摂取できません。
「オメガ3系脂肪酸」が多く含まれる食品
・青魚(イワシ・サンマ・サバなど)
・亜麻仁(アマニ)油
・えごま油
・くるみ
実際には毎日お魚を食べるというのは難しいですよね。
サバ缶などを上手に使ってできるだけ「オメガ3系脂肪酸」を摂取したいものです。
ちなみに、鯖缶はダイエットにもとても有効です。それについてはこちらで詳しく説明していますので良かったら読んでみてくださいね。
また、えごま油やアマニ油を毎日摂ることも大切です。
「オメガ3系脂肪酸」の一日の必要量
1日に必要な量は、成人女性で一日2g、成人男性は2〜2.4gと言われています。
(厚生労働省『食事摂取基準』)
鯖の水煮缶だと1缶の半分、えごま油やアマニ油の場合だと、小さじ1杯分(2.7g~4.0g)が適量です。
これらの油もやはりカロリーは高いものになりますので、食べ過ぎは良くありません。
また、油分を摂りすぎると下痢などの原因になることもあります。
「オメガ3系脂肪酸」を摂るときの注意点
「オメガ3系脂肪酸」はとても酸化しやすい性質があります。
酸化すると、過酸化脂質となり細胞を傷つけ、動脈硬化や認知症を引き起こす原因になってしまいます。
なのでえごま油・アマニ油は加熱は厳禁です。
必ず生で食べるようにしてくださいね。
そして、保管についてもできたら冷蔵庫で保存して、2週間程度で使い切るようにしてください。

でも「えごま油」っていろんなものが売られててどれがいいのかわかんないよ?

それについてはこちらにまとめてあるから参考にしてみてね
まとめ
「オメガ3脂肪酸」「オメガ6脂肪酸」についてできるだけカンタンにまとめてみたけど、やっぱりよくわかんないですよね^^;
要するに、「サラダ油はあまり使わないほうがいいよ」ということですが、これって現実にはなかなかね・・・。
そして現代日本では、市販品を食べる限り「オメガ6」の摂りすぎは避けられません。
となると、バランスをとるためにも「オメガ3脂肪酸」をもっと積極的に摂る必要があるんですね。
難しい理屈は置いといて、まずはそこだけ心がけてみてはどうかなと思います。
健康な老後のために。
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