最近、短期間で大きく体重を落とせるとのふれこみで、若い人を中心に「リポドリン」というサプリが流行っているようです。
私は「そんな簡単に痩せられるなら誰も苦労しないよ」と最初は冷ややかに見ていたのですが、実際に体重がドンドン減っているというツイッターの書き込みを見て
「ん?これちょっと危ないんでは?」と気になり始めました。
薬もそうですが、効果の大きいものは副作用もつきもののはず。
実際、ツイッターにも「動悸がする」「眠れない」などの書き込みがたくさん見られました。
それで、どんなものなのかちょっと調べてみたところ、思った通りこれが中々に危険なものだということがわかったので注意喚起として今回記事にしてみました。
「リポドリン」の種類」
リポドリン(黄)
一般的に「リポドリン」とだけ言われる場合はこちらを指すようです。
エフェドラエキス 25mg(葉)、Senegalia Berlandieri エキス(葉)[フェニルエチルアミンアルカロイド 225g 生成、フェニルエチルアミン、メチルシネフリン、N-メチル-B-フェニルエチルアミン、N,N-ジメチルフェネチルアミン]、シネフリン塩酸塩、テオブロミン、緑茶エキス(EGCG 45mg)、テオフィリン、フーディアエキス(サボテン)、カワラケツメイ(苗)、ナリンギン (果実)、6,7 ジヒドロキシベルガモッチン(果実)、5-メトキシトリプタミン塩酸塩、L-5-ヒドロキシトリプトファン、ヨヒンベ塩酸塩
カフェイン(無水) 100mg
リポドリンエクストリーム(赤)
「リポドリン」からエフェドラエキスを抜いたものです
アミノイソヘプタンHCl、Senegalia Berlandieriエキス(葉)[フェニルエチルアミンアルカロイド 生成 メチルシネフリン、N-メチル-B-フェニルエチルアミン、N,N-ジメチルフェニルエチルアミン、フェニルエチルアミン 含む] カフェイン(無水)、緑茶98%エキス(葉)、テオブロミン(無水)、ヨヒンベエキス(樹皮)、フーディアゴルドニーエキス(カクタス)、ナリンギン(果実)、5-メトキシトリプトアミンHCl、L-5-ヒドリキシトリプトファン、ラズベリーケトン
リポドリン・エフェドラフリー
「リポドリン」からエフェドラエキスを抜き、更にマイルドにしたもののようです。
アカシアリギデュラエキス(葉)[フェニルエチルアミンアルカロイド 200mg:R-ベータ-メチルフェニルエチルアミン、メチルシネフリン 、N-メチル-B-フェニルエチルアミン、フェニルエチルアミン]、シトラスオーランティアム(シネフリン 20mg)、テオブロミン、緑茶エキス(ECGC 45mg)、ゼラニウムエキス(根茎)、フーディア(植物)、カワラケツメイエキス(植物)、ナリンギン(果実)、6,7 ジヒドロキシベルガモッチン(果実)、5-メトキシトリプタミンHCl、L-5-ヒドロキシトリプトファン、ヨヒンベエキス(樹皮)、カフェイン(無水)100mg
「リポドリン」の危険性
上に書いたように、「リポドリン」には「エフェドラ」「5-ヒドロキシトリプトファン」「ヨヒンベ」などの成分が含まれています。
これらは本来「医薬品」として扱われる成分で、サプリなどの食品に含まれていて良いものではないのです。
つまり、作用がとても強いものなのです。
エフェドラ
エフェドラは、漢方薬では「麻黄」と呼ばれる植物で、有効成分としてエフェドリンを含みます。
エフェドリンの副作用としては、めまい・頭痛・食欲減退・神経過敏・胃腸障害・不眠・血圧上昇などがあり、海外では死亡例も報告されています。
そのため、心臓病や高血圧の持病のある人は特に注意する必要があります。
また、妊婦や授乳婦の使用は禁忌となっています。
日本では、現在エフェドラは「医薬品成分の原料」となっていて、食品として使用することは禁止されています。
なので、このエフェドラを含む「リポドリン」は、「無承認無許可医薬品」に該当します。
ヨヒンベエキス
西アフリカ原産の高木の常緑樹で、樹皮にはヨヒンビンと呼ばれる化学物質が含まれています。
このヨヒンビンはアフリカで昔から性欲増進剤として使われていたようで、勃起障害への効果があると言われています。
副作用としては、血圧上昇・頻脈・頭痛・不安・めまい・嘔吐・不眠などがあります。
また、妊婦や授乳婦の使用は禁忌となっています。
ヨヒンビンは専門家の指示のもと以外では使用してはいけない成分となっており、日本では食品として使用することは禁止されています。
つまり、「リポドリン」は、このヨヒンベを含むことでも「無承認無許可医薬品」に該当します。
5-ヒドロキシトリプトファン
アミノ酸であるL-トリプトファンの副産物で、主にうつ病の治療薬として使われます。
胸焼け・胃痛・吐き気・肝機能障害などの副作用の危険があり、日本国内では医薬品成分に指定されています。
したがって、「リポドリン」は「5-ヒドロキシトリプトファン」を含むことでも「無承認無許可医薬品」に該当します。
お金で痩せた場合、お金を使わなくなったら太る
たとえば今回の「リポドリン」のように、「画期的(に見える)痩せ薬」で短期間に痩せられたとします。
では「痩せた」その後は?
特に効果の高い「薬」はその分副作用も大きいものです。
なので一時的にはそういうものに頼れてもそうそう何年も続けられるものではないですよね。
金額的にもかなり負担大きいですし。
「いやいや、痩せたらそれをキープするように努力すればいい」
と思っているのかもしれませんが、今までお金を使って「薬」に頼る以外痩せられなかったのに、どうやってその体重・体型をキープするの?
おそらくこういった「痩せ薬」で痩せた人は、それをやめたらあっという間にリバウンドして、元の体重以上に太ってしまうでしょう。
つまり、お金をドブに捨てるようなもんです。
私自身、何回も思いましたよ。
「一気に痩せて、それをキープすればいい」
って。
でも、ダイエットって、本来は一時的に体重を減らすことなんかじゃなくて「一生続ける生活習慣」なんです。
特別なことをして痩せたなら、その特別なことを一生続ける必要があるんです。
あなたは「お金をかけたダイエット」を一生続けることができますか?
しかも副作用に怯えながら、悩まされながらです。下手したら命の危険まであるのに。
危険なサプリに手を出す以前に、「ダイエットとは何か」をよくよく考えてみていただきたいです。
↓少しキツイ表現になっていますが、私のダイエットに対する思いです。
おわりに
この記事を読んでくださっているあなたは、間違ってもそのような危険なチャレンジはなさらないと思いますが、もしもあなたの身近な人がこのような危険なダイエットをしているようであれば、どうか全力で止めてほしいのです。
ダイエットは、本来自分の体を大切にするためにやるものです。
体を壊しては本末転倒です。
どうかどうか、よろしくお願いします。
コメント